親知らずの抜歯後、頬や歯茎にしこりができることがあります。
これは、抜歯後の正常な回復過程の一部であることもあれば、炎症や感染などのトラブルが原因となることもあります。
今回は、親知らず抜歯後にしこりができる主な原因と、それに対する適切な処置方法について詳しく解説します。
親知らず抜歯後のしこりの主な原因

1-1. 血腫(けっしゅ)・血液の溜まり
抜歯後、傷口周辺に血液が溜まり、血腫ができることがあります。
これは体が傷を修復しようとする過程で自然に起こる現象です。
血腫がしこりのように感じられることがありますが、多くの場合、時間とともに体に吸収されます。
症状:
- 抜歯後数日以内に発生
- 軽い腫れや違和感があるが、強い痛みはない
対処法:
- 触らずに安静にする
- 冷やしすぎないよう注意しながらアイスパックで冷やす(最初の24時間)
- 通常は1~2週間で自然に吸収される
1-2. 炎症反応による腫れ

抜歯後は、体が組織を修復しようとするため炎症反応が起こります。
これにより、周囲の組織が腫れ、しこりのように感じることがあります。
症状:
- 抜歯後2~3日で腫れのピーク
- 触れると少し硬い感触
- 軽度の痛みを伴うことがある
対処法:
- できるだけ安静にし、無理に触らない
- 抜歯後の指示に従い、抗生物質や痛み止めを服用する
- 口腔内を清潔に保つ(うがい薬や歯磨きの注意点を守る)
- 1週間ほどで徐々に改善
1-3. 感染(膿瘍・ドライソケット)
細菌感染が起こると、膿が溜まり、しこりのように感じることがあります。
また、血餅(かさぶた)が剥がれてしまう「ドライソケット」も、炎症が進むことで腫れやしこりの原因となります。
症状:
- しこりが赤く腫れている
- しこりの部分が熱を持っている
- 強い痛みを伴う(ズキズキする痛み)
- 口臭が強くなることがある
対処法:
- 速やかに歯科医院を受診する
- 抗生物質を処方してもらう(感染が疑われる場合)
- 過度なうがいは避け、血餅が取れないように注意する
- 自己判断で膿を絞り出そうとしない
1-4. 骨の再生によるしこり(骨隆起)

抜歯後、骨が再生する過程で一時的に骨の隆起ができることがあります。
これがしこりのように感じられることがあり、数カ月かけて徐々に滑らかになります。
症状:
- しこりが硬く、押しても痛みがない
- 徐々に小さくなる傾向がある
対処法:
- 特に治療の必要はなく、経過を観察する
- 数カ月経っても違和感が続く場合は歯科医院で相談
1-5. 瘢痕組織(はんこんそしき)
抜歯後の傷口が治る過程で、瘢痕(傷跡)が残ることがあります。
これがしこりのように感じられることがありますが、通常は問題ありません。
症状:
- 硬いしこりがあるが、痛みはほぼない
- 数カ月~半年ほどかけて徐々に小さくなる
対処法:
- しこりが成長したり、痛みを伴う場合は受診
- 大きく残る場合は、歯科で相談し、必要なら切除
親知らず抜歯後のしこりを予防する方法

2-1. 抜歯後の適切なケアを行う
安静にする:術後1~2日は激しい運動や長時間の入浴を避ける
うがいのしすぎに注意:血餅が取れないように軽くすすぐ程度にする
食事の工夫:柔らかいものを食べ、抜歯した側では噛まない
2-2. 炎症を抑えるための生活習慣
喫煙・飲酒を控える:血流が悪くなり、治癒が遅れる可能性がある
口腔内を清潔に保つ:抜歯部分を避けながら丁寧に歯磨きする
2-3. 異常を感じたらすぐに歯科医院へ
- 強い痛みや発熱がある場合
- しこりがどんどん大きくなる場合
- 長期間(1カ月以上)改善しない場合
まとめ
親知らずの抜歯後にしこりができる原因はさまざまですが、多くは自然に改善します。
しかし、強い痛みや腫れ、発熱を伴う場合は感染の可能性があるため、早めに歯科医院を受診することが重要です。




