近年、目立たない矯正法として注目されているマウスピース矯正(インビザライン)

取り外し可能で、審美性にも優れていることから、学生から社会人まで幅広い層に人気を集めています。

しかしながら、患者さんからよく寄せられる疑問の一つに、

「インビザラインはどの歯科医院で治療しても結果は同じなの?」

というものがあります。

一見、同じマウスピースを使用する治療法であれば、どこで受けても大きな違いはなさそうに思えるかもしれません。

しかし実際は医院ごとの治療経験や設計方針によって、仕上がりや治療期間に大きな差が出る可能性があるのです。

今回は、「マウスピース矯正(インビザライン)」が歯科医院によってどう違うのか、医院選びで失敗しないためのポイントを交えながら詳しく解説します。

インビザラインは「システム」であり「道具」である。

まず前提として理解しておきたいのは、インビザラインはあくまで矯正治療を行うための「道具」や「システム」であり、治療そのものではないということです。

インビザラインは、米国のアライン・テクノロジー社が開発した矯正用マウスピースで、3Dシミュレーション(クリンチェック)によって歯の移動を計画し、その計画に沿ってマウスピース(アライナー)を作製・使用していきます。

しかし、そのシミュレーションや治療計画を立てるのは、各歯科医院の歯科医師で有ると言う事です。

つまり、同じインビザラインでも「誰が」「どう設計するか」によって、結果は大きく変わってくるということです。

当院ではインビザラインが日本に導入されて以来15年以上に渡ってインビザライン矯正に携わって参りました。

歯科医院ごとに異なる4つのポイント

治療計画(クリンチェック)の質

マウスピース矯正は、歯の動かし方を事前にソフト上でシミュレーションすることで進めます。

この計画を「クリンチェック」と呼びます。

このクリンチェックの作成には高度な技術と経験が求められます。

歯をどの順番で、どれくらいの速度で動かすのか、どこにアタッチメント(歯に付ける突起)を配置するのかはすべて歯科医師の判断に委ねられているのです。

経験豊富なドクターは、この計画段階で将来起こりうる問題まで見越した設計が可能ですが、経験の浅い医院では再治療や計画の修正が必要になることもあります。

インビザラインドクターとしての実績や資格

インビザラインを提供している歯科医院の中には、年間症例数に応じてランク付けされた「プロバイダー制度」があります。

例:

  • ブロンズプロバイダー:年間症例数が少なめ
  • プラチナプロバイダー以上:多数の症例を手がけている証拠

高ランクのプロバイダーほど、症例の経験数が多く、複雑なケースへの対応力も高いと考えられます。

ただし、ランクがすべてではありません。

実際には、その医院がどのような症例を扱ってきたかも確認することが重要です。

トラブル時の対応力

マウスピース矯正は、順調にいけばスムーズに進みますが、治療中に予期しない歯の動きのズレや、マウスピースが合わなくなることもあります。

このような場合時には部分的にワイヤーを使用したり、アップダウンエラスティックを使用して方向修正等、すぐに対応できる医院と、ワイヤー矯正が全然出来ない医院では、治療の快適さや期間に大きな差が生まれます。

因みに当院ではワイヤー矯正からスタートしている為、ワイヤー矯正やミニインプラントを使用した矯正治療を得意としている為、マウスピースを使用しながら部分的にワイヤーを使用したりして、上手くマウスピースの動きについてこない歯の軌道修正も難なくこなします。

特に、常にドクターが在籍しているか、クリンチェックの修正が迅速に行える体制かどうかはチェックポイントです。

通院サポートや最新機器の有無

マウスピース矯正では、デジタルスキャン(iTeroなど)を使った精密な型取りや、スマホアプリでの進捗管理など、最新技術の導入が治療精度にも関わってきます。

また、定期的な通院のたびにドクターが噛み合わせや歯の動きを細かく確認してくれる医院では、リスクも最小限に抑えることが可能です。

マウスピース矯正で後悔しないための医院選びのコツ

マウスピース矯正を成功させるには、以下のような視点で歯科医院を選ぶことが大切です。

  • 実際の症例数やビフォーアフターを見せてもらう
  • クリンチェック作成や治療計画を誰が担当しているか確認
  • ドクターの説明が丁寧で、治療リスクもきちんと伝えてくれる
  • 通院のしやすさ(予約の取りやすさや診療時間)
  • 治療後の保定(リテーナー)についても明確な方針がある

まとめ|「どこで治療しても同じ」ではない!

インビザラインは、確かに世界中で使用されている優れた矯正システムです。

しかし、それを使いこなすのは「人=ドクター」です。

つまり、同じ道具でも、使い手によって結果が変わるのです。

「マウスピース矯正ならどこでやっても同じだろう」と安易に選んでしまうと、仕上がりに不満が残ったり、想定以上の治療期間になってしまうリスクも。

だからこそ、医院選びは慎重に行いましょう。

症例経験が豊富で、きちんと話を聞いてくれる信頼できる歯科医師を選ぶことが、納得のいく矯正治療への第一歩です。