透明なマウスピースを使って歯並びを整える「インビザライン」は、目立ちにくく、取り外しが可能なことから、矯正治療の選択肢として多くの人に支持されています。
しかし、「どんな歯並びでも本当にインビザラインで治療できるのか?」という疑問を持つ人も少なくありません。
今回は、インビザラインで対応できる症例、対応が難しいケース、そして治療を成功させるためのポイントについてわかりやすく解説します。
インビザラインとは?その特徴と仕組み

インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型の矯正装置です。
事前に3Dスキャンで歯並びを精密に計測し、段階的に形の異なるマウスピースを作成。
1~2週間ごとに交換することで、少しずつ理想的な位置へと歯を動かしていきます。
主な特徴は以下の通りです:
- 透明で目立ちにくい
- 取り外しができて食事や歯磨きがしやすい
- 金属を使用しないため金属アレルギーの心配がない
- 痛みが比較的少ない
- 通院頻度が少なめ(一般的に4週?6週に1回)
当院では全ての患者様に加速矯正装置をご使用頂き、どの様な症例でも一年前後で終了出来る様なプランを作成しています。
このような利点がある一方で、すべての症例に対して万能というわけではありません。
インビザラインには適応が難しい症例も存在します。
インビザラインで治療可能な主な症例

現在では技術の進歩により、以前よりも多くの歯並びの問題に対応できるようになっています。
以下は、比較的インビザラインで治療しやすいとされている代表的な症例です。
軽度~中等度の歯列不正(叢生・すきっ歯)
歯が重なって生えている「叢生」や、歯と歯の間に隙間がある「空隙歯列弓」は、インビザラインで対応しやすい症例です。
マウスピースで少しずつ歯を移動させ、整った歯並びに導きます。
前歯の軽度な出っ歯や受け口
上下の前歯の位置に問題がある場合も、インビザラインで改善できることがあります。
ただし、骨格に大きなズレがあるようなケースでは、外科的治療が必要になることもあります。
軽度の開咬や過蓋咬合
奥歯は咬んでいるのに前歯が閉じない「開咬」や、逆に咬み合わせが深すぎる「過蓋咬合」も、程度によってはインビザラインで対応可能です。
インビザラインが難しい・慎重な判断が必要な症例

すべての歯並びにインビザラインが向いているわけではありません。
以下のようなケースでは、治療方針を慎重に検討する必要があります。
骨格性の問題がある不正咬合
たとえば、下顎が大きく前に出ている「骨格性の受け口」や、上顎と下顎のバランスが大きく崩れている場合などは、インビザラインだけでの改善は難しいことがあります。
このようなケースでは、ワイヤー矯正や外科矯正との併用が検討されます。
抜歯を伴う大規模な歯列矯正
抜歯が必要なほど歯が並ぶスペースが足りない場合は、歯を大きく移動させる必要があるため、インビザライン単独では難易度が上がります。
最近では抜歯を伴う矯正もインビザラインで対応可能なケースが増えてきていますが、担当医の技術や経験が特に重要になります。
当院では抜歯ケースも多数の経験があります。
奥歯の大きな移動や回転
マウスピースは奥歯の大きな動きや回転を得意としないため、必要に応じて補助的な装置(ゴム、アタッチメントなど)を併用することがあります。
それでも難しい場合は部分ワイヤーを併用する事もあります。
インビザラインの効果を最大限に引き出すために

インビザライン治療の成功には、患者自身の協力が欠かせません。
以下の点を守ることで、より良い治療結果が得られます。
1日20時間以上の装着:装着時間が短いと、予定通りに歯が動かず治療期間が延びたり、結果に影響したりします。
こまめなマウスピースの交換:指定されたタイミングで新しいマウスピースに交換することで、歯の移動を計画通りに進められます。
定期的な通院:担当医のチェックを受けながら微調整を行うことで、トラブルを防ぎます。
自分の歯並びはインビザラインに向いている?
インビザラインが適しているかどうかは、見た目だけでは判断できません。
口腔内の状態、骨格、歯の動かしやすさなど、さまざまな要素を総合的に評価する必要があります。
そのため、まずは当院にインビザラインのカウンセリングにお越しください。
まとめ

インビザラインは、多くの歯並びの悩みに対応できる先進的な矯正治療法ですが、すべての症例に万能というわけではありません。
骨格的なズレが大きいケースや、抜歯が必要な場合には、他の矯正方法と併用することも視野に入れる必要があります。
当院では貴方の症例に最適な方法を一緒に考え治療するお手伝いをさせて頂きます。
正しい選択と努力によって、美しく健康な歯並びを手に入れましょう。





