親知らずを抜歯した後、一部の患者は口や顎、舌、唇に痺れを感じることがあります。
この症状は、抜歯時に神経が刺激されたり、損傷を受けたりすることで発生します。
多くの場合、一時的なものであり、時間とともに回復しますが、場合によっては長期間続くこともあります。
ここでは、親知らず抜歯後の痺れの原因や対処法について詳しく解説します。
親知らず抜歯後の痺れの原因

1-1. 下歯槽神経の損傷
親知らず(特に下顎のもの)は、下歯槽神経(かしそうしんけい)と呼ばれる大きな神経に近い位置に生えています。
抜歯の際にこの神経が圧迫されたり、傷ついたりすると、下唇や顎、舌の一部に痺れが生じることがあります。
1-2. 舌神経の損傷
舌の感覚を司る舌神経が、親知らずの近くを通っています。
抜歯時にこの神経が影響を受けると、舌の片側に痺れや感覚異常を引き起こすことがあります。
1-3. 炎症や腫れによる神経圧迫
抜歯後の炎症や腫れが神経を圧迫し、一時的な痺れを引き起こすことがあります。
この場合、腫れが引くにつれて症状も改善します。
1-4. 麻酔の影響
抜歯時に使用する局所麻酔が長く効いている場合、一時的に感覚が鈍ることがあります。
麻酔が切れれば自然に回復しますが、数時間から半日程度続くことがあります。
親知らず抜歯後の痺れの対処法

2-1. まずは様子を見る
抜歯後の痺れがある場合、多くは時間とともに改善します。
神経の軽い圧迫や炎症が原因であれば、数日から数週間で自然に回復することが多いです。
そのため、数日間は様子を見ながら経過を観察することが重要です。
2-2. 病院での診察を受ける
痺れが長引く場合、神経の損傷が考えられます。
以下のような場合は、早めに歯科医や口腔外科を受診しましょう。
- 抜歯後1週間以上経っても痺れが続く
- 痺れだけでなく痛みや違和感が強くなる
- 口が開きにくくなったり、話しにくくなったりする
2-3. ビタミンB12の摂取
神経の回復を助ける栄養素として、ビタミンB12が知られています。
ビタミンB12を多く含む食品(レバー、魚、卵、乳製品など)を摂取することで、神経の修復を促すことが期待できます。
必要に応じて、サプリメントの使用を検討してもよいでしょう。

2-4. 血行を良くする
神経の修復には血流が重要です。
以下のような方法で血行を改善することができます。
- 適度な運動(軽いストレッチやウォーキングなど)
- 温かい飲み物を摂る
- 軽いマッサージ(首や肩のストレッチなど)
ただし、抜歯直後は激しい運動や長時間の入浴は控えるようにしましょう。
2-5. 低出力レーザー治療(LLLT)
歯科や口腔外科では、低出力レーザー治療(LLLT: Low-Level Laser Therapy)を用いることがあります。
これは神経の修復を促進し、痺れの改善に役立つとされています。
2-6. ステロイドや神経再生薬の処方
医師の判断により、ステロイドや神経再生を助ける薬が処方されることもあります。
神経損傷の程度によっては、薬物療法が有効な場合があります。
2-7. 針治療(鍼灸)
一部の患者では、鍼治療が神経の回復を助けることがあります。
血流を改善し、神経の働きを活性化させる効果が期待できます。
ただし、医師と相談したうえで行うことが望ましいです。
親知らず抜歯後の痺れの経過と回復期間

3-1. 一時的な痺れ
炎症や軽い神経圧迫による痺れであれば、数日から数週間で改善することがほとんどです。
3-2. 神経損傷による痺れ
軽度の神経損傷であれば、数ヶ月以内に回復することが期待されます。
しかし、重度の損傷がある場合、完全に回復するまで半年から1年ほどかかることもあります。
ごく稀に、神経が完全に回復しないケースもあります。
3-3. 早期診断の重要性
長期間続く痺れや、時間が経つにつれて悪化する症状がある場合は、早めに専門医を受診することが大切です。
早期に適切な処置を行うことで、回復の可能性を高めることができます。
まとめ

親知らずの抜歯後に痺れが生じることがありますが、多くの場合は一時的なものであり、時間とともに改善します。
- 軽い痺れなら数日~数週間で回復
- 神経の回復を促すために、ビタミンB12の摂取や血行促進を意識する
- 低出力レーザー治療や薬物療法、針治療なども選択肢




