~気になるお口のニオイ、矯正とどう関係するの?~
はじめに
ふとした瞬間に気になる「口臭」。
自分では気づきにくいものですが、周囲の人に不快感を与えてしまうこともあり、日常生活や人間関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。
そんな口臭の原因は、食べ物や生活習慣、病気など多岐にわたりますが、「歯並び」や「噛み合わせの悪さ」も大きな要因の一つ。
実は、歯列矯正が口臭改善につながるケースもあるのです。
今回は、口臭の主な原因から、矯正治療との関係、治療中に気をつけたいポイントまでをわかりやすく解説します。
口臭の主な原因とは?

口臭の発生にはさまざまな要因が絡んでいますが、代表的な原因を以下にまとめます。
プラークや歯石の蓄積
歯の表面や歯と歯の間に溜まったプラーク(歯垢)や歯石は、細菌の温床となり、硫黄化合物と呼ばれるニオイ成分を発生させます。
特に歯と歯の間が狭く、歯並びが悪い場合は歯磨きがしにくく、口臭の原因になりやすいです。
舌苔(ぜったい)
舌の表面に付着する白っぽい汚れ=舌苔も、強いニオイを放つ原因です。
特に唾液の分泌が減少すると、舌苔が増えやすくなります。
虫歯・歯周病
進行した虫歯や歯周病から発せられる腐敗臭や膿の臭いも、慢性的な口臭の原因です。
これらの疾患は、自覚症状がなくても進行する場合があるため注意が必要です。
口腔内の乾燥(ドライマウス)
口の中が乾くと、唾液による自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。
ストレスや加齢、薬の副作用が原因になることも。
内臓や全身疾患による口臭
糖尿病、肝機能障害、胃腸障害などが原因で、口臭が生じることもあります。
特徴的な臭いがあるため、慢性的に続く場合は医師の診察が必要です。
歯並びの悪さと口臭の関係

● 歯並びが悪いと磨き残しが増える
ガタガタな歯並び(乱杭歯)や叢生(そうせい)、過蓋咬合などの不正咬合があると、歯ブラシが届きにくく、歯垢や食べかすが溜まりやすくなります。
その結果、虫歯や歯周病を引き起こし、口臭が悪化する原因になります。
● 正しい咀嚼ができない
歯並びが悪いと、食べ物をうまく噛み切れず、咀嚼回数が減少し唾液の分泌が減ることがあります。
唾液は口臭を抑える働きを持っているため、唾液不足は口腔内の細菌繁殖と悪臭の増加につながります。
● 口呼吸になりやすい
歯列不正があると、口を閉じづらくなり口呼吸になることもあります。
口呼吸は口腔内を乾燥させ、口臭が強くなる大きな要因のひとつです。
矯正治療で口臭は改善できる?

歯磨きしやすい環境になる
歯列矯正により歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、プラークの除去効率が格段に向上します。
これにより、口臭の原因である細菌の繁殖を抑えることができます。
唾液の分泌を促す
正しい咀嚼ができるようになると、唾液の分泌が自然と増加し、口腔内の浄化作用が活性化。
結果として、口臭の抑制につながるのです。
虫歯・歯周病リスクの軽減
歯並びが整うことで、虫歯や歯周病の予防効果が高まり、慢性的な口臭の改善にも寄与します。
矯正治療は見た目だけでなく、口腔内の健康全般を高める手段とも言えます。
ただし注意!矯正中にも口臭が発生することがある??

矯正治療中は装置の影響で、逆に一時的に口臭が強くなることもあります。
▼ 主な原因:
- 装置に食べかすが詰まる
- 歯磨きが難しくなる
- リテーナーの清掃不足
- 装置による口内炎・炎症
▼ 対策:
- 矯正用歯ブラシ・フロスを活用
ワンタフトブラシや矯正用の歯間ブラシなど、専用のケア用品を使うことで清掃効率がアップします。 - 定期的な歯科クリーニング
通院時にプロによるメンテナンスを受けることが大切。
矯正中は月1回のチェックと合わせて、歯周管理も徹底しましょう。 - 舌のケアも忘れずに
舌ブラシや柔らかい歯ブラシで舌苔を優しく除去することで、ニオイの元を減らせます。 - マウスウォッシュを適切に使用
アルコールフリーの洗口液を使うことで、乾燥を防ぎつつ抗菌効果を得られます。
口臭対策としての矯正治療、こんな人におすすめ

- 歯並びの乱れで磨きにくさを感じている方
- 口臭を指摘されたことがある方
- 歯周病のリスクが高い方(家族歴があるなど)
- 口呼吸が習慣化している方
- 自信を持って人と話したい方
矯正治療は「見た目」だけでなく、「におい」や「健康」にもつながる重要な治療手段です。
まとめ:口臭に悩むなら、矯正治療を選択肢に!

口臭の原因はさまざまですが、歯並びの乱れが根本的な原因になっているケースは意外と多いものです。
そうした場合、いくら歯磨きを頑張っても、改善しないことがあります。
矯正治療を受けることで、歯磨きがしやすくなり、唾液の分泌が正常化し、口臭の予防にもつながるという多くのメリットがあります。
ただし、治療中は装置の影響で口臭が一時的に強まる可能性もあるため、日々のセルフケアと定期的な通院をしっかりと行うことが重要です。




