はじめに

歯列矯正にはさまざまな方法がありますが、その中でも代表的なのが「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」です。

どちらも歯並びを改善する治療法ですが、それぞれに特有の特徴があります。

今回は、両者の違いを詳しく比較し、自分に合った矯正方法を選ぶためのポイントを解説します。

ワイヤー矯正の特徴

ワイヤー矯正は、歯にブラケットと呼ばれる装置を装着し、ワイヤーを用いて歯を動かす方法です。

長年にわたる実績があり、幅広い症例に対応できます。

2.1 ワイヤー矯正のメリット

多様な症例に対応:軽度から重度の歯並びの問題まで治療可能。

確実な治療効果:細かい歯の移動が可能で、しっかりとした矯正効果が期待できる。

装着管理不要:固定式のため、装着時間を気にする必要がない。

比較的費用が抑えられる。

2.2 ワイヤー矯正のデメリット

装置が目立つ:金属製のブラケットが目に付きやすい(目立ちにくいタイプも選択可)。

痛みを感じることがある:ワイヤー調整後に数日間の違和感や痛みが生じる場合がある。

口内炎のリスク:ブラケットやワイヤーが口内に当たり、傷ができる可能性がある。

食事制限がある:硬いものや粘着性のある食品は避ける必要がある。

マウスピース矯正の特徴

マウスピース矯正は、透明なアライナーを使用し、段階的に歯を動かす方法です。

取り外し可能で、見た目に影響が少ない点が魅力です。

3.1 マウスピース矯正のメリット

目立ちにくい:透明なマウスピースのため、周囲に気付かれにくい。

取り外し可能:食事や歯磨きの際に外せるため、口内を清潔に保ちやすい。

痛みが少ない:歯の移動が緩やかで、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない。

金属アレルギーの心配がない:金属を使用しないため、アレルギーのリスクがない。

3.2 マウスピース矯正のデメリット

自己管理が必要:1日20~22時間以上の装着が推奨される。

対応できる症例が限られる:重度の歯列不正や顎のズレが大きい場合には不向き(ワイヤー矯正との併用も選択肢)。

治療期間が長くなる可能性がある:歯の移動が緩やかなため、症例によってはワイヤー矯正より時間がかかる場合がある。

ただし、加速矯正装置を併用することで短縮可能なケースも。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の比較

比較項目ワイヤー矯正マウスピース矯正
見た目目立ちやすいほぼ目立たない
痛み調整時に痛みを感じることがある比較的少ない
食事制限あり
(硬い・粘着性のある食べ物は避ける)
なし
(取り外し可能)
適応範囲軽度~重度の症例に対応軽度~中程度の症例が中心
費用比較的安価高額になりやすい
自己管理 不要(固定式) 1日20時間以上の装着が必要

矯正方法の選び方

矯正方法を選ぶ際は、自分のライフスタイルや治療目的を考慮することが大切です。

  • 見た目を気にする方 → マウスピース矯正
  • 矯正効果を最優先する方 → ワイヤー矯正
  • 複雑な歯の移動が必要な方 → ワイヤー矯正
  • 自己管理が苦手な方 → ワイヤー矯正(装着時間を気にせず治療可能)

まとめ

ワイヤー矯正とマウスピース矯正には、それぞれ異なる特徴があります。

自分の生活スタイルや治療の目的を考慮し、最適な方法を選ぶことが重要です。