口の中を触ったときに、下の歯の内側に硬い骨の出っ張りを感じたことはありませんか。

鏡で見ると歯ぐきが膨らんでいるように見え、「腫瘍ではないか」「病気ではないか」と不安になる人も多いでしょう。

このような骨の盛り上がりは、骨隆起(こつりゅうき)と呼ばれるものの可能性があります。

骨隆起は比較的よく見られるもので、多くの場合は特別な治療を必要としません。

今回は、下顎の内側にできる骨隆起の特徴、原因、放置しても大丈夫なのか、治療が必要になるケースについて詳しく解説します。

骨隆起とは?下顎の内側にできる骨のふくらみ

骨隆起とは、顎の骨が部分的に盛り上がってできる硬い骨の塊のことを指します。

特に下顎の内側、舌に近い部分にできるものは「下顎隆起」と呼ばれます。

主な特徴は次の通りです。

  • 触ると石のように硬い
  • ゆっくり大きくなることがある
  • 痛みはほとんどない
  • 左右対称にできることが多い

多くの場合は歯ぐきの腫れではなく、骨そのものが盛り上がっている状態です。

そのため触るとしっかりとした硬さがあります。

下顎の骨隆起は放置しても大丈夫?

結論から言うと、骨隆起の多くは放置しても問題ありません。

骨隆起は病気ではなく、骨の形の個人差のようなものと考えられています。

そのため、次のような症状がなければ治療の必要はないケースがほとんどです。

  • 痛みがない
  • 大きさが急激に変わらない
  • 食事や会話に支障がない

実際、歯科検診で初めて指摘される人も多く、自分では気付いていないまま生活しているケースも少なくありません。

骨隆起ができる原因

骨隆起ができる原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。

強い噛みしめや歯ぎしり

噛む力が強い人は、顎の骨に大きな負担がかかります。

その刺激によって骨が徐々に厚くなり、骨隆起として現れることがあります。

特に次のような人は注意が必要です。

  • 歯ぎしりをしている
  • 無意識に食いしばる癖がある
  • 奥歯の噛む力が強い

遺伝や体質

骨隆起は家族内で見られることもあり、骨格や体質の遺伝が関係していると考えられています。

親や兄弟に同じような骨の出っ張りがあるケースも珍しくありません。

加齢による骨の変化

骨隆起は急にできるものではなく、長い時間をかけて少しずつ大きくなることがあります。

そのため年齢を重ねてから気付く人も多いのが特徴です。

骨隆起の治療が必要になるケース

基本的には問題ない骨隆起ですが、次のような場合には治療が検討されることがあります。

入れ歯が作れない場合

骨隆起が大きいと、入れ歯が当たって痛みが出たり、装着が難しくなることがあります。

その場合は骨を削る処置を行うことがあります。

食事や会話の邪魔になる

骨隆起が大きくなると、舌の動きに影響して違和感を感じたり、食べ物が当たって気になることがあります。

粘膜が傷つきやすい

骨隆起の表面は薄い粘膜で覆われているため、硬い食べ物などで擦れると傷ができることがあります。

頻繁に痛みが出る場合は治療を検討することがあります。

骨隆起の治療方法

治療が必要な場合は、口腔外科で骨を削る手術を行います。

一般的な治療の流れは次の通りです。

  1. 局所麻酔を行う
  2. 歯ぐきを小さく切開する
  3. 盛り上がった骨を削る
  4. 歯ぐきを縫合する

処置時間はおよそ30分~1時間程度で行われることが多く、日帰りで治療できるケースがほとんどです。

術後は数日程度腫れることがありますが、適切なケアを行えば大きな問題になることはあまりありません。

骨隆起と間違えやすい口の中の異常

骨隆起は良性の変化ですが、口の中の腫れの中には別の病気が隠れている場合もあります。

次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 急激に大きくなった
  • 痛みや出血がある
  • 片側だけ大きい
  • 潰瘍のようになっている

このような場合は自己判断せず、歯科医院や口腔外科で診察を受けることが大切です。

骨隆起がある人の注意点

骨隆起がある場合は、口の中を傷つけないようにすることが大切です。

例えば次のようなことを意識するとよいでしょう。

  • 硬い食べ物を無理に噛まない
  • 歯ぎしりがある場合はマウスピースを検討する
  • 定期的に歯科検診を受ける

特に歯ぎしりや食いしばりが強い場合は、骨隆起だけでなく歯の摩耗や顎関節への負担も大きくなるため注意が必要です。

まとめ|下顎の骨隆起は多くの場合そのままで問題ない

下顎の内側にできる骨の出っ張り「骨隆起」は、病気ではなく骨の形の個人差として見られることが多いものです。

痛みや生活への支障がなければ、基本的には治療の必要はありません。

ただし、入れ歯が合わない場合や日常生活に影響がある場合には、外科的に骨を削る治療が行われることもあります。

口の中の異変は自分では判断が難しいこともあるため、気になる場合は歯科医院で相談することが安心につながります。