親知らずを抜歯した後、出血がなかなか止まらないと不安になることがあります。
通常、抜歯後の出血は数時間から1日程度で落ち着きますが、人によっては長引くこともあります。
今回は、親知らず抜歯後の出血が止まりにくい原因と適切な処置について解説します。
親知らず抜歯後に出血が止まりにくい原因

① 血液の凝固機能が低下している
人の体には、出血すると血小板や凝固因子が働き、血を固めて止血する仕組みがあります。
しかし、何らかの理由でこの機能が低下していると、出血が長引くことがあります。
主な原因
- 抗血栓薬の服用(アスピリン、ワルファリンなど)
- 肝疾患(肝硬変や慢性肝炎など)
- 血友病などの血液凝固異常
- ビタミンK欠乏症
もし抜歯前に持病や服用薬がある場合は、事前に歯科医師と相談することが大切です。
② 血餅(かさぶた)の形成不良
抜歯後の傷口には「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊が形成され、これが傷をふさぐ役割を果たします。
しかし、以下のような行為をすると血餅が取れてしまい、出血が再開することがあります。
- 血餅が取れやすい行動
- うがいを頻繁にする
- 強く歯を磨く(特に傷口付近)
- ストローで飲み物を飲む(吸う動作で圧がかかる)
- 喫煙する(血流が悪くなり、治癒が遅れる)
③ 抜歯部位の血管が太い・深い
親知らずは、一般的に他の歯よりも根が深く、周囲に太い血管が存在することが多いです。
特に、下顎の親知らずは骨の中に埋まっているケースが多く、抜歯時の外科的処置が大きくなるため出血が長引くことがあります。
④ 高血圧や全身の血流増加
血圧が高いと、血管にかかる圧力が強くなり、止血が困難になることがあります。
また、飲酒や入浴、激しい運動をすると血流が増加し、出血が再開することがあります。
⑤ 感染症や炎症の影響
抜歯後に傷口が感染すると、炎症によって血管が拡張し、出血が長引くことがあります。
特に、ドライソケット(血餅が剥がれ、骨が露出する状態)になると治癒が遅れ、痛みも強くなります。
出血が止まりにくいときの対処法

① ガーゼをしっかり噛む
抜歯後に渡されたガーゼを傷口の上に置き、30分~1時間しっかり噛むことが重要です。
ガーゼが血で濡れてもすぐに交換せず、しばらく噛み続けることで血餅の形成を助けます。
② 清潔なティーバッグを使う
紅茶のティーバッグにはタンニンという止血効果のある成分が含まれているため、軽く湿らせたティーバッグを傷口に当てて噛むことで止血を促せます。
③ 安静にし、頭を高くして休む
血流を抑えるために、横にならずにできるだけ頭を高くした状態で休むことが大切です。
また、出血がある間は激しい運動や熱い風呂は避けましょう。
④ 氷で冷やす
頬を**氷や冷たいタオルで冷やすと血管が収縮し、出血が抑えられます。
**ただし、冷やしすぎると血行が悪くなり治癒が遅れるため、1回10分程度を目安にします。
⑤ 口をすすがない
血が出ると気になって口をすすぎたくなりますが、頻繁なうがいは血餅を流してしまうため避けるべきです。
口の中が気になる場合は、水を少量含んで静かに吐き出す程度にとどめます。
すぐに歯科医院を受診すべきケース

次のような場合は、自己処置だけでなく歯科医院を受診することをおすすめします。
- 2~3時間経っても出血が止まらない
- ガーゼを噛んでも30分以上効果がない
- 血の量が多く、ポタポタ流れるほど出ている
- 強い痛みや腫れが続く(感染の可能性)
- 発熱や膿が出る(細菌感染の疑い)
- めまいや貧血症状がある(大量出血の可能性)
歯科医院では、止血処置として縫合や薬剤の使用を行うことができます。
自己判断せず、異常を感じたらすぐに受診しましょう。
出血を防ぐための注意点

① 抜歯後24時間はうがいや歯磨きを控える
傷口を守るため、少なくとも24時間は強いうがいや歯磨きを控えましょう。
② アルコール・喫煙を避ける
アルコールは血行を良くしてしまい、喫煙は傷の治りを遅くするため、最低でも2~3日は控えるのが理想です。
③ 柔らかい食べ物を選ぶ
硬い食べ物や熱い食べ物は傷口に刺激を与えるため、ゼリー・おかゆ・ヨーグルトなどの柔らかいものを食べるとよいでしょう。
④ 血圧を上げる行動を避ける
入浴や運動、長時間の立ち仕事は血流を増加させ、出血の原因になります。
抜歯後はできるだけ安静に過ごしましょう。
まとめ

親知らずの抜歯後、出血が長引くことは珍しくありませんが、原因を理解し適切に対処すればほとんどの場合は自然に止まります。
- ガーゼをしっかり噛む
- 頭を高くして安静にする
- 頻繁なうがいや喫煙を控える




